こんにちは。
皆さんは「世にも奇妙な物語」が好きですか?僕はこの番組がとても好きで、テレビでやっていれば欠かさずチェックするようにしています。
「世にも奇妙な物語」にはギャグ回もあれば感動回、そしてホラー回など、「奇妙」というテーマを軸に様々な話があります。中でも特に話題に上がるのがホラー回です。
この番組のホラー回は個人的にとてもよくできていると感じるものが多く、トラウマになりそうなレベルの回がいくつもあります。
その中でも、今回は、僕が特にトラウマものだと感じた「スウィート・メモリー」という回の話を語っていこうと思います。ネタバレ注意です。
簡単なストーリー
血だらけのリビングにたたずむ女性(仲間由紀恵)と横たわる男のシーンから場面がスタートします。状況から見て、女性が男に何かしらの気概を加えたのは明白です。
次の瞬間、場面が暗転し、女性が病院のベッドで目覚めるシーンへと移ります。女性の脇には医師と刑事が立っています。医師の話によると、女性は2日間気を失っていたそうです。
刑事が、殺害されていた男性との関係についてを女性に事情聴取していきます。女性は、デザイナーの仕事をしていること、例の男性にストーカーをされていたことなどを語り始めます。
話していくうちに女性は、ストーカーの男性が女性の部屋に押し入ってきて、もみ合いとなったことを思い出します。しかし、それ以降の記憶は思い出せない様子です。
ここまでの話を聞くと、女性に一方的な好意を抱いたストーカーとその被害者女性といった構図です。ところが、女性が喋り終えた直後、刑事が衝撃の発言をします。
続き ネタバレあり
刑事は何と、殺害された男性はストーカーの被害者であったことを話し始めます。そして、その男性に付きまとっていた人物こそが、あなた(女性)であると言い出したのです!
つまりは、その女性こそが、男性に付きまとい男性の自宅に押し入っていったストーカーだったということです。
女性はまるで意味が分からないといった様子で混乱しています。刑事は、女性が男性に送り付けていた手紙などを証拠に出します。
刑事は、女性は小さい頃から内向的で、いつしか妄想の世界にとりつかれていくようにたったのだと言い始めます。女性はますます混乱します。そこで、座り込んでいた医師が立ち上がり、女性に話しかけ始めます。
「現実と妄想の境目が曖昧になり、妄想を自分の記憶だと思い込むようになっていった」
その医師は精神科の人間でした。医師は女性に、あなたはずっと妄想の中で生きてきたのだということを話し始めます。
女性は否定します。恋愛も仕事も、すべて満足いく人生を過ごしてきたのだと。しかし、それこそが既に妄想であったのです。
デザイナーで働いていたと言いますが、実際はデザイン事務所のアシスタントであったのです。さらに刑事は、被害者の男性が自宅に仕掛けていたという監視カメラの映像を女性に見せます。
そこには女性の姿が映っていました。そして、男性を後ろから灰皿で殴る決定的なシーンも映っていました。映像の中の女性がカメラ側に振り向くと、女性は戸惑います。そこに移っている人物が、全く知らない人物だったからです。
「映像の人物は誰ですか?」
そう女性が言うと、刑事と医師は目を合わせ、
「やはりそうでしたか」
といったことを言います。実は、女性が信じている自身の容姿(仲間由紀恵)は、他人のものだったのです。映像の中に映っている暗い雰囲気の人物こそが、本当の自分だったのです。
完全に混乱しきっている様子の女性(仲間由紀恵)に、医師が鏡を差し出します。そして、カメラのアングルがゆっくりと変わっていき…、
そこには、先ほどまでの女性とは似ても似つかない顔の人物が現れたのです。髪形こそ同じですが、先ほどの美人顏とは程遠い女性です。
女性は、無言で顔をグチャグチャにしながら、鏡を払いのけました。
「スウィート・メモリー」の感想
文章だけではこのストーリーの怖さを完全には伝えきれないと思いますが、僕的には、この話が今まで観てきた「世にも奇妙な物語」の中でぶっちぎりで怖いと感じます。
すべての話を観たわけではありませんが、よくネットで最も怖いと言われている「雪山」や「懲役30日」を僕の中では超えています。
なぜこの話が怖いと思うかというと、1つに、誰にでも起こりうることだからです。妄想とまではいかなくとも、自分の思い込みと現実が少しズレていたという経験は誰にでも一度はあると思います。
そして、今回の現実と妄想の区別がつかなくなった女性も、その思い込みが悪化した、精神的な病や脳の問題によるものです。霊的な話やスピリチュアルな話ではないのです。十分、現実的にあり得ることです。
現実に、そういった精神的な問題を抱える人は多く存在します。そういった点から、この話は他の話に比べてとてもリアルに感じるのです。
さらに、別の意味で僕が怖いと感じたのは、「人の容姿というセンシティブな問題から恐怖心を煽るどこか気持ち悪さみたいなもの」がある点です。
この話で最も怖いのが、ラストに女性の本当の顏が明らかになるシーンです。失礼を承知で言うと、美人だと思っていた女性が、美人とはかけ離れた暗い雰囲気の女性へ顔が切り替わったシーンです。
今までの美人(仲間由紀恵)が男性をストーカーしたりしていたシーンを見ても、さほど恐怖心はありませんでした。しかし、本当の暗い顔の女性が同じようにストーカーをしていたシーンには嫌悪感を抱いたのです。
つまりは“少なからず心の奥底では、人を容姿で判断してしまっている自分自身の存在に気がつかされるという嫌悪感”に対して恐怖を感じたのです。
言葉ではうまく表すことができませんが、とにかく、この話からは得体のしれない嫌悪感や恐怖が湧いてくるのです。
今回の話はここまでにしておきましょう。皆さんは「世にも奇妙な物語」においてどの話が最も怖かったでしょうか?よければ教えてください!
最後まで見てくれてありがとうございます。