こんにちは。
突然ですがあなたは英語を喋ることができますか?
日本の義務教育では3年間、高校まで通っていた人なら計6年間英語を勉強します。日本の高校進学率は97%なので、この記事を見る多くの人が6年間英語を勉強しているはずです。これだけ英語を勉強しているのだから、軽い会話くらいできてもおかしくはありません。
ところが実際には、初歩的な会話さえ話すことができない人がほとんどです。勿論僕もできません。ここまで英語が話せない人の割合が多い国は、世界的にかなり珍しいことです。
外国では大抵の人が最低限の英語を使うことができます。例えば、日本へ旅行に来ている白人観光客が「I can’t speak English…」なんて言ってきたら驚きますよね。
ではなぜ、日本人が外国に比べて英語を喋れる人が少ないのか。それは日本と外国の違いについて着目すると見えてきます。今回はその“違い”を4つ紹介していこうと思います。
①外国との関わり
地球上にある多くの国家は、外国と国境を接しています。道路が繋がっていたり線路が繋がっていたり、比較的簡単に出入りをすることができます。そうするとどうしても人の交流が盛んになりますよね。けれど、国家が違うと大抵言葉も違うため意思疎通ができません。そこで英語の登場です。
用は、外国人との交流が活発なため、共通語としての英語が非常に重要なのです。特にヨーロッパのEU加盟国なら尚更です。国境に警備などなく、東京から埼玉へ行くように、簡単に外国へ行き来することができます。そういう地域では、英語を話せることがとても重要になるのです。
一方、日本は島国です。外国と陸で接していないため、普通の国に比べて英語の重要度は低くなります。外国人自体も少ないため、英語が話せないとマズイというシチュエーションが滅多に起こりえないのです。
②公用語
アイルランド、アンティグア・バーブーダ、インド、ウガンダ、エリトリア、ガイアナ、ガーナ、カナダ、カメルーン、ガンビア、キリバス、クック諸島、グレナダ、ケニア、サモア、ザンビア、シエラレオネ、ジャマイカ、シンガポール、ジンバブエ、スーダン、スワジランド、セーシェル、セントクリストファー・ネイビス、セントビンセント・グレナディーン、セントルシア、ソマリランド、ソロモン諸島、タンザニア、ドミニカ、トリニダード・トバゴ、トンガ、ナイジェリア、ナウル、ナミビア、ニウエ、ニュージーランド、パキスタン、バヌアツ、バハマ、パプアニューギニア、パラオ、バルバドス、フィジー、フィリピン、べリーズ、ボツワナ、マーシャル諸島、マラウイ、ミクロネシア連邦、南アフリカ、南スーダン、モーリシャス、リベリア、ルワンダ、レソト…
上に列挙したのは、英語を公用語としている国です。全部で50ヵ国以上あります。上に並べた国以外に、アメリカ、イギリス、イスラエル、オーストラリア等、英語を公用語と定めていなくても事実上公用語となっている国もあります。
このように、非常に多くの国家が英語を公用語と制定しています。
参照↓
日本の文部科学省が発表したデータによりますと、実に20億人以上の人間が英語を公用語としている国に住んでいます。
参照↓
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/015/siryo/05120501/s003.pdf
これは世界人口の4分の1に当たります。これだけ多くの人が英語に密接に関わって暮らしているのです。
さらに、英語を公用語としていなくても、英語を公用語としている国と国境を接している国は膨大にあります。ここで①で述べたことが重要になってきます。英語を公用語としている国が隣に合ったら、やはり英語が重要になりますよね。
➂母国語での教育の限界
フィリピンの小学校では算数や理科の授業を英語で教えているというのはご存知でしょうか。小学校低学年の子供たちが英語で算数の計算をしているのは、日本人からしたら驚愕でしょう。
ではなぜ、フィリピンでは算数や理科を英語で教えているのか。それは、算数や理科の教育に必要な単語が母国語(フィリピン語)に存在しないからです。つまり、母国語で教育することができないのです。
例えば “光合成(photosynthesis)” や “葉緑体(chloroplast)” といった単語がフィリピンの言葉に存在しないのです。そのため、英語での教育を実施する必要があるのです。
日本も、明治時代の頃はフィリピンと同じ状況でした。明治維新後、ソサエティやエコノミー、フリーダムといった日本語にない概念が外国から大量にやってきました。
当時の日本のエリート学生は、英語で大学の授業を受けていました。福沢諭吉をはじめとした日本のエリート達は、このままではいかんと西洋の言葉を次々と日本語へ翻訳しました。
そのおかげで、現代の日本では母国語(日本語)オンリーであらゆる高等教育を受けることができるのです。逆に言えば、英語を使う必要が無いのです。
④言語の構造
言語学上、言語には屈折語、膠着語という分類があります。
屈折語とは、簡単に言うと助詞がない言語で英語などが該当します。膠着語は助詞が重要な役割を持つ言語で日本語などが該当します。
そう、英語と日本語では言語の種類が大きく異なるのです。さらに英語と日本語では文法も全く異なりますよね。ちなみに日本語が該当する膠着語というのは、世界的に見ると圧倒的少数のタイプなのです。
英語は世界的に見れば簡単な言語かもしれませんが、日本人から見ると異質で難しい言語なのです。
ちなみに中国語は英語と同じ屈折語で、文法も非常に似通っています。中国人は英語を学ぶハードルが非常に低いのです。
まとめ
日本は、様々な特殊な条件が重なり“英語が重視されない環境”となっていることが分かったと思います。日常を過ごすうえで英語が全く必要ないのです。
あなたが英語を話せるようになるには、この国から出てしまうのが一番手っ取り早いかもしれません。
僕の周りで英語が話せるという人は皆、海外に留学経験があります。机に向かい勉強をしただけで英語ペラペラになりましたって人は、一人も見たことがありません。
もしくは、世界中での日本語ブーム到来を待つのも一つの手かもしれません。
最後まで見てくれてありがとうございます。