人生に地図はない

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人生に地図はありません。どんなにブレようが道を外そうがそれはあなたの人生です。

『スマホ脳(新潮新書)』を読んでみた感想・レビューをまとめてみた 

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こんばんは。 

 

皆さんは、自分自身が1日にどれだけの時間スマホのスクリーンを見ているか気にしたことはありますか?スマホに元から内蔵されている機能の“スクリーンタイム”を使えばその答えを簡単に知ることができます。 

 

僕自身はなんと、1日平均6時間29分でした。これは平均なので、休みの日などは有に10時間を超えている日なんかもあります。これは直感で予想した数値よりも大幅に多い結果となりました。皆さんはいかがでしょうか?おそらく僕と同じように、思っていたよりもスマホを見ているという方が多いのではないでしょうか。 

 

2011年以降に広く普及したスマホですが、現在では平均で1日4時間、若者の2割は平均7時間もスマホを使用しているというデータが実際にあるように、人類とスマホは切っても切れない間柄となっています。 

 

そんなスマホ依存とも言える状態が蔓延した世の中に警鐘を鳴らした本が、スウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセン氏が著した『スマホ脳』(新潮新書 2020年11月発行)です。そこで今回は、僕がこの本の中で印象に残った内容やテーマ、感想などをまとめてみました。 

 

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目次

 

著者アンデシュ・ハンセン氏の主張と概要 

「ゲーム脳」という言葉があまりポジティブな意味合いで使われていないのと同じように、今回の本のタイトルでもある「スマホ脳」も当然ポジティブな意味合いでは使われていません。そのことからも分かる通り、アンデシュ氏は著書において、スマートフォンの使い過ぎによるネガティブな影響について、具体的な研究結果を基に主張しています。 

 

全10章ある内の序盤部分では、人類がなぜスマートフォンの虜になってしまうのかを、人類の進化の過程やDNAの特性を挙げて説明されています。中盤部分では、スマートフォンが実際に我々人類に及ぼしている悪影響について解説し、終盤部分ではその予防法や解決法・アドバイスが紹介されています。 

 

なぜ私たちはスマホに夢中になるのか 

冒頭でも少し触れたように、多くの現代人は1日のうち4~7時間ほどスマホの画面を見て過ごしています。朝起きてすぐや通勤中、休憩中や寝る前など、我々は気がつけばポケットからスマホを取り出しています。 

 

私たちがこれほどまでスマホに夢中になってしまうのは何故でしょうか。ポイントは2つあります。1つは、我々の脳がまだサバンナ(数万年続いてきた狩猟採集時代)にいるということ。もう1つが、そんな私たちの脳の特性を熟知した上でアプリやSNSなどのスマートフォンのコンテンツが作成されているということです。 

 

“新しいもの”が好きな人間の脳 

私達の先祖が長く暮らしていたサバンナでの狩猟採集時代は、食料の確保が難しく、毎日が死と隣り合わせの(少なくとも現代と比べて)苛酷な時代でした。そのため、当時の人類にとっては、周辺の環境に関する新しい情報を知ることは何よりも重要なことでした。 

 

食料や資源が常に不足していた環境下では、新しい環境や情報に興味のない人間よりも、新たな可能性を求めて移動をしていた人間の方が生き延びる確率が上がります。そのため、何万年も掛けて人類(人類の脳)は“新しいもの好き”になるよう進化していったのです。そのため、新しい情報や知識を絶えず運んできてくれるスマートフォンに、人の脳は夢中になってしまうのです。 

 

“かもしれない”が好きな人間の脳 

ネズミやサルの脳は、餌が確実に貰える状況よりも“もらえるかもしれない”といった不確実な状況の時の方がより多くドーパミンが放出されるという、非常に興味深い事実が実験によって明らかになっています。これと同じことが人間の脳にも当てはまります。

 

ラットを「ギャンブラー」に変える実験(動画あり) | WIRED.jp

 

なぜ、確実に餌が貰える状況よりも、不確実な状況の方に人間の脳は惹かれるのでしょうか。それにも、サバンナでの数万年に及ぶ狩猟採集時代が関係しています。 

 

要は、「あっちの方角に獲物がいるかもしれない」「あの木の上に美味しい木の実があるかもしれない」と、不確実なものにも敏感に反応し行動をする人間の方が、食糧不足の世界では圧倒的に生存確率が高くなるのです。 

 

こうした人間の脳の仕様を完全に熟知した上で、スマートフォンやアプリは設計されています。「重要な連絡が入っているかもしれない」「SNSの投稿にいいねが付いているかもしれない」と、巧みに人間の脳の報酬系を刺激するのです。 

 

○○こそ現代社会の貴重品 

本著の中後半部分で述べられているスマートフォンの使い過ぎによるネガティブな影響に関して、僕が最も印象的だと感じたことがあります。それが第4章のタイトルにもなっている「集中力こそ現代の貴重品」という言葉です。 

 

人間の脳は構造上、常に1つの対象にしか集中をすることができません。マルチタスクというものがありますが、あれは2つの集中すべき対象をパッパッと忙しなく切り替えているだけで、非常に効率が悪くなるという結果が分かっています。 

 

しかし、驚くべきことに人間の脳は、そうした効率の悪いマルチタスクをしている状態の方がドーパミンが放出され、気持ちよくなる(自分自身を褒める)のです。コレは一体なぜでしょうか。勘の良い方は分かったかもしれませんが、これま狩猟採集時代が関係しています。 

 

本著では「火災報知器の原則」と述べられていましたが、狩猟採集時代という危険で苛酷な時代では、集中を分散させ、周りのあらゆる対象へと意識を素早く切り替えていく人間の方が生存率が上がったのです。 

 

スマホ脳による様々な悪影響 

気を散らすことに対して喜びを感じるよう進化した人類の脳に対して、常に新しい情報や知識を提供するスマートフォンをポケットに携帯するようになった現代社会では、1つのことに集中をすることは至難の業なのです。 

 

このように気が散る環境では、仕事の能率が下がったり、記憶力が低下したり、そもそも記憶が定着しなくなってしまったりといった多くの悪営業があります。 

 

その他にも、スマートフォンの使用によりテストの成績が悪くなるという結果を出した実験についてや、スマートフォンによる睡眠障害、精神疾患を抱える人が増えているという研究結果についてが触れられています。 

 

どのような対抗策があるか 

人間の進化の過程が巧みに利用され尽しているスマートフォンですが、そんなスマホに依存することなく上手に付き合っていく対抗策が第8章で示されています。それは、運動を良くすることです。 

 

運動によって人はストレスや不安などの心の健康を保つことができ、それに伴い知的能力が向上し、物事に集中できるようになります。運動は“スマホ脳”な我々現代人に対する最もスマートな対抗策・最善の方法だと著者は述べています。 

 

現代の貴重品ともなってしまった“集中力”ですが、一体なぜ運動をすることによって集中力が向上するというのでしょうか。この疑問にも著者は、やはり狩猟採集時代の頃からの生活が影響しているのではないかと考えています。 

 

現代の狩猟採集民の調査によると、当時彼らは1日に2,3時間ほど狩りや猟などの労働をしていたことが分かっています。その間は当然あちこち動き回りますし、最大限に集中します。狩猟は狩るか狩られるかの命に関わる行いですし、食糧を手に入れることはとても重要なことだからです。 

 

この記事のまとめ 

今回はスウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセン氏の『スマホ脳』の内容を、僕が面白いと思った観点を中心に取り上げました。簡単に内容を下記にまとめます。 

 

  • スマートフォンには人類の脳の進化を利用した“ハマる仕組み”が巧みに仕組まれており、それによって“スマホ脳”となった人間に様々な悪影響が生じてしまっている。 
  • そんな状況を打開するには、同じく人類の脳の進化に注目した結果、運動をすることが最善の手段と言えるのではないか。運動をすることで集中力や心身の健康を改善させる効果が期待できる。 

 

といった内容になります。今回の本は著者の方が医師ということもあり、最新の研究や様々な科学的なエビデンスを基に、なぜスマホ脳が危険なのかを説得力マシマシで述べられています。 

 

今回の記事でご紹介させて頂いたもの以外にも、面白い研究結果やエピソードが収録されていますので、興味を持った方はぜひ本を購入してみてはいかがでしょうか。 

 

 

最後まで見てくれてありがとうございます。