こんにちは。
東アジアには日本・中国・韓国・北朝鮮・台湾といった5つの国(地域)がありますよね。これらの国はいずれも漢字文化圏に属しています。
漢字がこれらの地域に広く普及した頃には、どの国もほとんど同じ漢字を共通して使用していました。
ところが、現代の東アジア地域の文字を見てみると、それぞれの国ごとに異なった文字事情があることが分かります。
例えば「図書館」という言葉を、それぞれの国の言語で見てみましょう。
中国 | 图书馆 |
日本 | 図書館 |
台湾 | 圖書館 |
韓国 | 도서관(圖書館) |
北朝鮮 | 도서관 |
このように、本来同じであるはずの文字が、それぞれ微妙に異なってしまっています。どういう風に異なっていしまっているのか、今回はそんな東アジアの「文字事情」を見ていきみましょう!
中国
中国では、1950年代から簡略化した漢字が広く使われるようになってきました。いわゆる「簡体字」です。
漢字しか持たない中国語は、文章を書くのに膨大な手間がかかります。また、画数の多い複雑な漢字が識字率を下げているとされ、このような簡略化が行われてきました。
しかし、無計画な簡略化によって、氵(さんずい)と讠(ごんべん)等、手書きの場合において区別が全くつかない文字が出てくるなどの問題が発生しています。
日本
日本も実は「新字体」という名称で、漢字の簡略化を行っています。本来の漢字は「旧字体」として教育されることはなくなりました。
しかし、學、樂、邊、澤など、地名や人名において僅かに使われている面もあります。
けれどよくよく考えてみれば、日本語にはすでに、ひらがな・カタカナという漢字を極限まで省略・簡素化して作られた文字がありますよね。
訓読みという中国の発音ルールに縛られないシステムも開発しましたし、日本人は漢字を徹底的に魔海造してしまったんですね(笑)
台湾
台湾で使われている漢字は、いわゆる「繁体字」と呼ばれる漢字で、極めて画数が多いのが特徴です。
つまり、台湾こそが本来の伝統的な漢字の継承者なのです。歴史や文化を大切にしているのですね。
しかし、繁体字は本当に画数が多く、時には20画や30画の文字が連続して並んだりします。
具体的には「体→體」「塩→鹽」「亀→龜」です。これを手書きで書くとなったら、とてつもなくしんどいですね(笑)
韓国
韓国では、1980年頃から漢字の使用頻度が徐々に落とされていき、現在では朝鮮民族独自の文字「ハングル」に取って代わられている状況です。
ハングル文字は非常に合理的な造りとなっていて、誰でも簡単に修得することができる素晴らしい文字です。
しかし、ハングル文字は表音文字のため、表意文字の漢字の代替文字としては不便な面もありました。つまり、同音異義語が区別できないという問題です。
そのため、紛らわしい発音の漢字や、人名、ニュースの見出しなど、最低限度の漢字は今でも使用され続けています。
北朝鮮
北朝鮮は、漢字を完全撤廃しており、漢字はあくまで外国語という位置づけになっています。北朝鮮国内では、ニュースや看板などで漢字を見かけることはほぼ無いでしょう。
まとめ
同じ漢字から始まって、現代ではここまでの違いが生じています。これは、ある意味「漢字」の持つ面白い特徴だと思います。
漢字は、調べれば調べるほど奥が深いということが分かります。皆さんも、興味が沸いたのならば是非、各国の漢字事情について調べてみることをオススメします!
最後まで見てくれてありがとうございます。