こんにちは。
前回、大和言葉は漢字を利用することで現在まで存続できた、という話をしました。よろしければ見てみて下さい。↓
そんな巧みに生き残ってきた大和言葉ですが、一方で消滅してしまった単語も沢山あるのです。例えば「蝶」という漢字がありますよね。音読みで「チョウ」と読みます。では訓読みは何でしょう?
恐らく、これは誰も答えられないはずです。なぜなら、そもそも「蝶」という漢字に訓読みは無いからです。つまり、大和言葉で「蝶」を表す単語が無いのです。
厳密には、昔はあったのですが、今は消滅してしまったのです。これがいわゆる、消えていってしまった大和言葉です。
「蝶」の大和言葉とは
「犬(ケン)」の訓読みは「いぬ」です。「猫(ビョウ)」の訓読みは「ねこ」です。つまり、漢字が伝わる以前の古代日本人は、ワンワン吠える動物を「いぬ」、ニャーニャー鳴く動物を「ねこ」とそれぞれ名付け、呼んでいたのです。
それらと同じように、「蝶(チョウ)」にも当然、日本人が付けた名前がありました。それは「かわひらこ」です。
川の近くでヒラヒラ飛んでいたから、「かわひらこ」です。知っていましたか?恐らく、初耳だという方がほとんどだと思います。現代では全く使われていないからです。
なぜ消滅したのか
「蝶(チョウ)」と書いて「かわひらこ」とは読ませませんよね。つまり「かわひらこ」という言葉は、現代では完全に消滅してしまったということです。
どうしてこの言葉が使われなくなったのかは不明ですが、恐らく時代が進むにつれて自然と言われなくなっていったからだと思います。
例えば、千歳(ちとせ)や時雨(しぐれ)といった単語があります。これらは貴重な大和言葉ですが、もし誰も使わなければ100年後には消滅してしまう可能性もありますよね。そんなのは古い時代の読み方だろう、と。
今、大和言葉を大切にしよう
千歳(ちとせ)や時雨(しぐれ)は、たしかに古い時代の読み方です。しかし、古いということはどういうことでしょうか。それはつまり、古代の日本人が自ら生み出した、日本人由来の単語と言うことです。
要するに、日本人という民族のアイデンティティであるということです。大和言葉が消滅していくということは、日本人としてのアイデンティティ・伝統が失われていくということです。
グローバル化が進み、固有の文化が急速に失われつつある今こそ、我々現代日本人は大和言葉に思いを馳せるべきなのです!
「かわひらこ」、優しさに溢れた発音で、とても可愛らしい言葉じゃないですか。そんな素晴らしい言葉に、誇りを持つべきです。
冷静に考えて、「蝶々(チョーチョー)」なんて発音は日本人の感性ではありませんよね。「かわひらこ」の方がよっぽどイメージ通りです。
まとめ
大和言葉は、「ゆくりなく」や「たそがれどき」など、神々しくお洒落な単語が非常に多いです。
最近では、美しい大和言葉を紹介した本なども出版されています。興味があれば、是非一度調べてみて下さい!
最後まで見てくれてありがとうございます。