こんにちは。
昨日の「中国人の女の子の話」の後編を書いていこうと思います。
前編はコチラ↓
Aさんが号泣した日
Aさんとクラスメイトとの対立は深刻で、Aさんはクラスから孤立した状態が続いていました。全く完全に浮いていたわけではないのですが、あまり積極的にAさんに話しかける人はいませんでした。
そんなある日、担任の先生からある発表がありました。それは、クラスメイトのある女の子(Hさん)が転校することになったという内容でした。
Hさんは、親の転勤の都合で、2週間後には遠い県の学校へ移ってしまうことになってしまったのです。
Hさんは大人しく控えめな女の子で、正直友達がほとんどいませんでしたが、一応はクラス皆で悲しい雰囲気を醸し出していました。
そして2週間が経ち、Hさんがいる最後の“帰りの会”を迎えました。最後にHさんが前に立ち、お別れの言葉を言うことになりました。
正直、Hさんと仲良しだった人はほとんどいなかったので、周りのクラスメイトは皆、一応は悲しむ雰囲気を出しつつ、ほぼ無関心状態な人が多かったのが現実でした。
僕自身も、いつも一人でいるHさんとは会話をしたことが無かったので、悲しいという感情はこれっぽっちもありませんでした。
ところが、クラスにたった一人だけ、全力で号泣している人がいたのです!そう、それがAさんです。
周りの人はみな、とても驚きました。普段あれだけ強気な態度を取っていて、どんなことにも屈しないはずのAさんが、顔をグシャグシャにして号泣しているのですから。
AさんはHさんと特別仲が良かったわけではありません。それなのになぜ、Aさんは号泣していたのか。それは後から分かりました。
Aさんにとって、長い期間同じ教室で学んだクラスメイトというのは、家族同然だったのです。なので、いくらあまり話したことが無いとはいえ、もう一緒に過ごせなくなってしまうといのは寂しいことだったのです。
信頼回復
この出来事があって以来、クラスメイト達のAさんに対する見方は大きく変わりました。高圧的で冷血な中国人というイメージだったAさんは、“実はとっても良い奴”というイメージに変化したのです。
僕の中でも、Aさんのイメージは180度変わりました。むしろ、ただ周りに合わせて悲しむ雰囲気を出していただけの僕らより、Aさんの方がよっぽど優しい心を持っているのだと感じました。
人の印象は、たった1つの出来事で非常に大きく変わるものだということを、この時に学びました。
それ以降、相変わらずAさんにちょっかいを出す奴はいましたが、Aさんを避けるような人はいなくなりました。Aさんは、完全にクラスメイトの一員として認められたのです。
その後は、Aさんに関して特に大きな事件や対立もなく、僕らは無事に卒業式を迎えました。卒業式もAさんは号泣していました。
まとめ
以上、前後編にわたって、僕の中国人との交流の思い出を語ってきました。皆さんに何か得るものがあれば幸いです。
Aさんのお陰かは分かりませんが、現在、あの時のクラスメイトに国籍や人種で人を判断するような人間は一人もいません。
それこそ最初は、中国人はマナーが悪く高圧的だというイメージがありました。しかしそれは、文化の違いから生じる表面的なものに過ぎなくて、内面の奥深くでは、人間はみな共通していると僕は思います。
ちなみに余談ですが、Aさんは現在、日本の某最難関大学へ通っています!短期間で日本語をマスターしただけあって、やはり優秀な方だったんですね。
皆さんも、外国人との印象的な交流はありますか?
最後まで見てくれてありがとうございます。