こんにちは。
ちょっとした架空の人物を会話の中で登場させることって、ありますよね。そういうときって大抵“○○さん”とテキトーに名前をつけますよね。また、一瞬だけしか出番のない漫画のモブキャラなどにも、名前がついていることがあります。
そうしたシチュエーションで登場してくる人名として、僕の経験上、なぜか圧倒的に「田中」が多いです。
「田中くんはいつもけだるげ」「さよなら、田中さん」「アフロ田中」…等々、例を挙げるときりがありません。これほど作品のタイトルに用いられている苗字って、逆にありますか？
厳密に調査を行ったわけではありませんが、おそらく「田中」に並び立つ苗字は存在しないと思います。僕自身もかなりありふれた苗字ですが、こういった作品に用いられているのを見たことがありません。
ではなぜ「田中」という苗字はここまで幅広く使われているのか。今回はそれについてまとめていこうと思います。
1.ベストポジション
日本の苗字について取り扱っているサイトを見てみると、「田中」姓はおよそ1,343,000人と、日本で4番目に多い苗字となっています。
トップ3は佐藤・鈴木・高橋となっています。日本で4番目に多い苗字である「田中」姓は、誰もが知る名の知れた苗字と言えます。しかし、トップ3ではありません。これが重要なのです。
日本人は昔から「三大○○」といって、何かと3つにまとめるのが好きな民族です。日本三大温泉や、日本三大渓谷などと同様に、苗字にも三大苗字があります。先ほど記述した「佐藤・鈴木・高橋」です。
つまり、佐藤や鈴木といった苗字は、ありふれた苗字ではありますが、それと同時に特別な存在なのです。なぜなら三大苗字だからです。一方、「田中」姓の4位というポジションは、“特別でない苗字の中で最もありふれた苗字”という絶妙な場所に位置しているのです。
よって、日本の最も有名な普通の苗字として例に用いられる機会が多いのです。
2.クセがない
日本のありふれた苗字の中には、クセのある苗字がいくつかあります。例えば日本の苗字ランキングで上位20番以内の苗字を見ていきましょう。
「斎藤」や「渡辺」といった苗字には「齋」や「邊」といった旧字体表記がしばしば用いられます。また、「佐藤」「伊藤」「加藤」など藤原家由来の苗字という特徴があり、「佐々木」や「林」といった二文字でない苗字もあります。「清水(しみず)」といった、特別な読み方をする苗字もあります。
このようにありふれた苗字の中には、特徴があったり、クセのある苗字が意外にも多くあるのです。その中でも「田中」姓は、クセが少なく、漢字も簡単で書きやすい、非常に平均的な苗字となっているのです。
3.発音しやすい
「田中」という苗字は、同じ母音が三連続続いているため、非常に発音がしやすい言葉となっています。「田中」さんを呼ぶときは、口の形を一切変える必要が無いのです。
発音をするのがこれだけ簡単だと、漫画や映画のタイトルに「田中」を入れても全く障害にはなりません。むしろ逆にゴロが良くなるくらいです。
また、それは海外でも変わりません。「田中」は英語では「Tanaka」、韓国語では「타나카」です。世界中の人にとっても「田中」は、呼びやすく馴染みやすい発音なのです。
iPhoneのフリック入力でも、「田中」を入力するのは非常に簡単ですよね。それだけ人に親しみやすい苗字となっています。
まとめ
「田中」姓が広く人々に多用されるのは、超平均的な苗字でクセがなく、そして発音しやすく親しみやすい、というのが挙げられるのではないでしょうか。
「田中」姓を持つ人には、俳優やお笑い芸人、金メダル選手や総理大臣など、各界で活躍された方が大勢いらっしゃいます。あなたの周りにも、必ず一人は「田中」姓の知り合いがいるはずです。日本で生まれた以上、「田中」さんと関わることなく生涯を終えるのは不可能なのです。
僕の周りの「田中」さんは、苗字に反してとても個性的な人が多いです。皆さんの周りの「田中」さんはどうですか？
田中くんはいつもけだるげ | ガンガンONLINE | SQUARE ENIX
最後まで見てくれてありがとうございます。
