こんにちは。雑記ブログ「人生に地図はない」を運営しているブロガーのYS(ワイエス)です。
皆さんは「一帯一路」という言葉を聞いたことがありますか?おそらくニュースなどで聞いたことがあると思います。
一帯一路とは、中国の習近平国家主席が提唱した経済圏構想のことです。具体的には、大陸横断鉄道で中国~中央アジア~ヨーロッパを繋ぎ、物流を活発にしていくといったことです。
そこには、中国の資源・食料確保の戦略が垣間見えます。中国は現在石油の大部分を海上輸入に頼っています。しかしこの海上輸送は、国際情勢の悪化で石油が入ってこなくなるという可能性がリスクとしてあります。
現に海上輸送にとって非常に重要なホルムズ海峡は、実際に封鎖されたことがあります。そこで中国は、原油の輸入をカザフスタンに頼るようになりました。陸路なら国際情勢に関わらず安定した供給確保を望めます。
また、中国は急速な都市化で農地が大幅に減少しました。そこで、国土の8割が農地のカザフスタンから、穀物の大量輸入も行うようになりました。カザフスタンは日本の約7倍という広大な面積を持つ国です。中国14億の人口を支えるのに充分な土地があります。
中国企業は、カザフスタンの土地を爆買いしています。これに対し、カザフスタンからは反発の声が相次いでいる状況です。生産物のほとんどが中国に買われるため、国内に物が残らないからです。
しかし逆風でも進出する中国企業は後を絶ちません。一帯一路を掲げる政府が強力な後ろ盾になっているからです。カザフスタンの大地は、今や中国にとって食料と資源を確保する一大拠点となっています。
大陸横断鉄道は、ユーラシア大陸に物流革命をもたらします。大陸横断鉄道の輸送時間は船舶の1/3、輸送コストは航空機の1/5です。船よりも早く飛行機より安い。最強の輸送ツールです。
ドイツ、デュースブルクという都市、ここは大陸横断鉄道の終着点です。ここでも中国はドイツの商品を爆買いしています。中でも1番人気が粉ミルク。中国に毎週10万個が送られているようです。
しかし、このことでドイツでは市場が混乱。粉ミルクの購入が1人3個までと制限されている状況です。中国によるドイツ企業の買収も加速しています。そのペースはなんと週に1社です!
ドイツではITやロボット産業に力を入れていますが、そういった企業も中国に買収されていっています。ドイツの国家戦略の根幹が中国の元へと移ってしまっているのです。
このことを受けヨーロッパ諸国は技術の流出を防ぐ法律を急務で整備しようとしています。ヨーロッパには中国への不信感が広がっているのです。巨大経済圏、一帯一路。
14億のエネルギーはこのまま世界を飲み込んで行くのでしょうか。
以上は、10/14(土)放送 NHKスペシャル「巨龍中国 一帯一路~“西へ”14億人の奔流~」という番組の内容のまとめです。
中国は、人口が多い、資源もある、土地も広い。大国になる要素が全て揃っています。
さらに、一党独裁という政治体制が政策の実行力を後押ししています。中国の一帯一路構想は、中国の立場をより一層揺るぎないものへとします。
しかし、自国中心の政策はいずれボロが出てきます。現にカザフスタンでは大規模な反中デモが行われています。そういう動きが出てくると、中国政府も対応せざるを得なくなります。
中国中心にさえならなければ、一帯一路構想はとても素晴らしいものです。今後、私たち一人一人が国際情勢を注視していくことが重要になっていくでしょう。
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